高温用形状記憶合金の開発
形状記憶合金は、インテリジェント材料として注目され、エレクロトニクス、メカトロニクスなどの幅広い分野において応用が進められています。現在実用化されている形状記憶合金はTiNi合金であり、この合金の形状回復温度は353 K以下となっています。しかし、原子炉の温度センサー(773K)、ガスバーナー逆火防止弁(473K)、半導体検査装置(423K)など353 Kを超えて作動する高温形状記憶合金が求められています。
形状記憶合金素子の作動温度
TiNi合金の変態温度を変化させる試みとしてTiNi合金に第3元素を添加する研究が行われてきました。しかし、殆どの場合、変態温度の上昇にはつながらず低下の傾向を示します。そのなかでTiNi合金のTiの一部をZrに置換することで変態温度の上昇が報告されていますが,その詳細は明らかではありません。また,このZrNi合金はNiの一部をCoで置換することによって高温でマルテンサイト変態を示すようになります。
当研究室ではTi-Zr-Ni合金, Zr-Ni-Co合金について,マルテンサイト変態挙動と形状記憶効果の研究を行っています。
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